終末期の生き方を語る会 2022年3月16日(水) 19時から

密を避けるため、一部オンラインで実施しました
会場でもスマートフォンを使ってオンライン会議の練習も兼ねて話し合いました
カメラは各自のスマートフォンを使うのが良さそう。全員同じ方向を向く方法もありますが

ZOOMで開催しました。当日18:45ころにメールでミーティングIDをお送りしました。


平和について

中能孝則

50年以上も前のことになるが、平和について父が語ってくれたことを思い出すときがある。父いわく、平和とは「全ての人々が平たく、禾(のぎ)を口にできることである」と教えてくれた。また、禾とは稲、麦、稗、粟などの穀物の総称であるとも教えてくれた。

そのようなことを思うとき、ある日の母の姿も思い出すことがある。

母は、午前中の農作業のあとに昼ご飯をいただいたきその後昼寝をするのであるが、その時に「あー、極楽、極楽」とつぶやきながら風通しの良い畳の上に横になり、ひと眠りしていた。そして目が覚めると夕方までの段取りを確認するようにつぶやき、再び野良仕事に出かけていく。

昼飯と言っても、麦のご飯に味噌汁、たくわんやラッキョウ、イワシの煮干、大根の煮つけ程度の実に質素な昼ご飯であった。

私が祖母から聞いた極楽とは、「桃の花が咲き誇っていて、この世では味わうことの出来ない超楽しいところで、毎日美味しいごちそうを食べることができるところだ」と教わった記憶があり、母がつぶやく極楽とは雲泥の差があった。

しかし、いま改めて思うと、「ご飯が食べられて昼寝ができること」が極楽だということが理解できるような気がする。

そのようなことを念頭に置きながら私たちの国日本を見てみると、この国は今本当に平和だろうかと思うことがある。うがった見方かもしれないが、戦争がないだけまだましだと思えばそうかもしれないが、本当にそうだろかと思うのである。

ウクライナに平和が訪れ、「全ての人々が平たく、禾を口にできる」日が一日も早く来ることを心から願いたい。