民主主義は機能している⁈

理事長 湯本とおる

 昨年はアメリカの大統領選挙に揺れた1年だった。何しろあのトランプさんが捲土重来を期して立候補したのだから。

 民主党のバイデンさん有利の予報が流れる中で、でも、もしトランプさんがが勝ったら、という「もしトラ」の空気が濃厚になってきたとき、民主党はバイデンさんから女性候補ハリスさんにバトンタッチしてしまった。テレビ討論では、ハリスさんに余裕が感じられ、トランプさんは「もうテレビ討論はやらない」と宣言。まあハリスさんわずかに有利!の情勢で選挙当日を迎えた。

 だが、民主党の牙城といわれていた州でいずれも惨敗。「もしトラ」が「ほんトラ」になってしまったのは皆さんご存知の通り。

 トランプさんは、私が見るところでは・自分本位・嘘つき・はったり・自己顕示・自慢・・・・・・。

日本人から見たら、上司にも同僚にも部下にももっともしたくないタイプである。でもアメリカ市民から見たら、自分たちの現状を何とかしてくれる頼もしいヤツ、に見えたのだろう。

 一方、私が住む国立市(人口7万5千人)でも市長選が12月15日に行われ、現職の永見さん(75歳)を浜崎さん(40歳)が僅差で抑え当選した。事前情報では、現職の永見さんは特にスキャンダルもなく、着々と実績を積み重ねており、無名の新人を軽く抑える、というのがわたしやわたし周辺の見方であった。それに、現職には自民党・公明党・維新の会・都民ファーストの会が推薦。まさに盤石の体制と思われた。しかしまさかの大逆転満塁ホームラン。私もキツネにつままれたように訳が分からなかった。知り合いに聞くと「ネガティブキャンペーンがひどかったからねー」ということであった。私もそのネガティブキャンペーンに反発して新人に入れた一人である。

 わたしの結果分析は、現職は何もしないでも勝てたのに、衆議院選で敗れた自民党・公明党の推薦を受けたからではないか、というものである。

 さてこの2つの選挙に共通しているのは、交代があったということである。やめてほしい時に市民がやめさせることができること。「民主主義が機能している」とひとまずほっと一息ついたのである。