健康に生んでくれた母に感謝

理事 中能孝則

幼いころから、おなか一杯に食べてみたかったものの一つにバナナがありましたがそのころは病気でもしない限り食べることはできませんでした。

近所の友達が風邪をひきバナナを食べているのを見ると「自分も風邪をひいてみたい」と思ったこともありました。しかし、母がとても頑丈な子に産んでくれたお陰様で、バナナにありつけることはありませんでした。

あるとき父がひと房のバナナを何処かで頂いてきたので、喜び勇んで母のもとに行ったのですが、母は「まずは仏様にお供えしてから」と話し仏様の前にお供えしました。

私は、いつになったら食べられるのだろうかと仏様の前を通るたびにつばを飲みこんだ記憶があります。そして、そのバナナは1週間後くらいに私たちの目の前に出され、皮に黒い斑点のようなものが現れていたバナナをいただきましたが、このバナナがとても柔らかくとろけるように美味しく、お金を稼げるようになったら毎日バナナを食べたいと思っていました。

そして、上京し最初の給料でバナナをひと房買い求め毎日食べました。その後も我が家の食卓にはバナナがありました。

しかし、6年前に心筋梗塞を患うとともに、様々な生活習慣病も発症いたしました。そして、お医者さんからは、「まずはやせる努力をしなさい」と言われ、鬼のような家族の愛に支えられての食事制限と運動療法が始まりました。そのかいあってか病気の前には90キロ超えていた体重が今では70キロを下回るところで維持できています。

その後、かかりつけの先生のところに通うようになりましたが、カリウムの値が下がらず、食べているものを書き出したところ、バナナに多く含まれていることがわかり、先生からは「バナナはあなたの食べ物ではないです」と言われました。それ以来クッキー等に入っているものを間違って食べ無いかぎりバナナを口にすることはなくなりました。

さらに調べてみると、大好きな干し柿をはじめ乾燥した果物には大量のカリウムが入っていることも分かりました。干し柿などこれからがシーズンなのにと思いつつも、健康に生んでくれた母に感謝しつつ、「健康が一番」を大切にしていきたいと思う今日この頃です。

“健康に生んでくれた母に感謝” への3件の返信

  1. バナナがお身体に障るなんて、初めて聞きました。さらに干し柿も。
    大好物がいただけない中能さん、お気の毒です。

    さて、私の育ったのも同様、バナナを丸ごと見たのは小学校高学年⁉
    父が持ち帰った結婚式のごちそうのなかにあったばななの切り身を、更に切り分けてみんなでいただきました。あまりすくなくて、味はわかりませんでした。丸ごと食べてみたいものだ!
    さて時代が進んで肉も魚も、珍味もバナナも、ケーキだって毎日食べられるように。夢のような時代になりました。私たちの子供時代の夢が、全部叶いました。こんなにいい時代になったのに、まだ不足や悩みがあるなんて、これは果てしない「人間の性(さが)」としかいいようのないものですね。

  2. とても良い話だと思います。
    その一方で、障害者施設と関わりその利用者と話していると、健康に生んでもらえなかった人たちのことが気になります。健康に生んでくれなかった母親に感謝しているかわかりません。でも、母親を責めるのは間違いですよね。

    先日、私が「子供のダウン症の検査をしなかった。妻もそうであっても受け入れるつもりだった」と話したら、「障害を持って生まれてきても心から喜べるか」問われました。そんなもの、最初から喜べるはずはないでしょう。それでも受け入れると表明したのでした。私の母は私が生まれた時に「指の本数を数えた。全部揃っていたのでうれしかった」と話していました。

    さて、今の私はポンコツの体と記憶力の悪い頭と付き合っていくしかありません。

TORU YUMOTO へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です