理事 槇島 和治
話題の映画『国宝』を映画館で見てきました。吉田修一原作、李相日監督の映像化作品とのことで3時間の大作です。人間の成長の機微、失敗や挫折。疾患のすさまじさなど大河ドラマ出演の若手男優とベテラン俳優が繰り広げる人間ドラマです。機会がありましたら映画館に足を運びましょう。と営業トーク的ですが、長時間にもかかわらず、あっという間に終わりまで見てしまいました。任侠の家に生まれた主人公・立花喜久雄(吉沢亮演じる)が、歌舞伎の世界に生き、やがて人間国宝となるまでの半生を描いた人間ドラマです。歌舞伎の名門の当主(渡辺謙)に引き取られ、ライバルとなる御曹司(横浜流星)と共に芸を極めていく中で、血筋、才能、そして激動の時代を生き抜く姿が描かれています。
歌舞伎などにいちども足を運んだことがない門外漢です。伝統芸能は八王子の人形浄瑠璃・車人形に学んで友人がアマチュアグループ「三多摩車人形を育てる会」で佐倉義民伝や山椒大夫など、見てきました。でも舞台装置の規模感が違いますね。
歌舞伎界の奥深さなど知る由もありませんが、いちど歌舞伎座にでも足を運びたいなと思いました。
かつては映画が娯楽の頂点だった頃、あれから何十年たったのと言われてしまいます。渥美清主演の「フーテンの寅」は満員の映画館で笑いあり涙ありを観客全体で味わう時代でした。今ではその感覚は甲子園の決勝戦のあの応援の雰囲気にも似たような感じでした。みんなで味わう楽しい興奮で気持ちが一体になることの怖さもあります。でもかつての映画の娯楽は健全な一体感を作ってきた国民文化のシンボルでした。
笑い喜び合う文化よりも著名な個人の弱点、欠点を白日の下にさらけ出しそれを揶揄したり嘲笑したりする時代の空気に抗うものが何か、探して行きたいものです。
