理事長 湯本とおる
いたずら小僧にヒゲを切り落とされてしまったゴゲジャバルに、痛く同情した村人たち(庄屋さんやばあさんや若者たちまで)、夜通し「ホーイホー!」と祈り続けたものでした。
あんまりガンバッタので、つぎの日の野良仕事ができなかったり、連夜なので体調をわるくして寝込む人まで出る始末。
村人が熱い応援をくり広げていたとき、ゴゲジャバルはなにをしていたのでしょう。
朝な夕なに村人たちは、ゴゲジャバルのヒゲが伸びたかどうかたしかめにやってきてはのぞき込みました。それに、夜ひるかまわぬ熱心な応援に、ゴゲジャバルは寝付けないのでうるさそうに薄眼をあけてぼーーっとしていました。
そんなある日、とうとうゴゲジャバルは起きあがってブルブルと身震いをしてから、ひとつなが^~~~い伸びをすると、フラフラとどこかへいってしまいました。
それから何か月もゴゲジャバルを見かけませんでした。あるとき庄屋さまが村はずれで見かけたゴゲジャバルには、りっぱなヒゲが戻っていました。そして、庄屋さまの顔を見ても特に親しげでも感謝する風でもなく、そこら辺の草でも見るような目をして通り過ぎていきました。
おしまい!!
ゴゲジャバルのヒゲを切った悪童どもを叱る大人がいないのはなぜでしょう。
なるほど!
よいところに気がつかれました。
深く推理してみると
*もうすでにこっぴどく叱られた(ざしき牢に収監中)
*のんき物でネズミを捕らないゴゲジャバルだから、特に問題なしとしておとがめなしとなった
*悪ガキはどこにもいつの時代もいること、として暖かく無視された
などなど・・・・。ほかになんかある?